インスピレーション

【 絵 柄 】


四季折々の草花を肌で感じながらモチーフを生み出します。工房がある集楽窓は、ゆったりとした空間の中に、重厚感のある江戸時代の建物、火と土の神様を祭った神社、涼しげなもみじに、凛とした椿、庭に潤いを与える沢山の草花、常に作陶の空間から自然とのつながりを大切に、時間があればスケッチブックを持って外に出かけます。
そのすべてが陶器の絵柄の元となり、器に彩りを添えます。

☆職人の七つ道具−その2

【こだわりの筆】

 

7つ道具筆200p.jpg京都の文化財の職人が、一本一本、端正をこめて作られた筆を使っております。その筆は使えば使うほど職人の手になじんで、やっと自分の筆になります。
すごく細いものから大胆なものまで、絵の具と同様、絵柄によって使い分けます。

 

 

☆職人の七つ道具−その1

【カンナ】


 7つ道具カンナ200p.jpg 7つ道具ケンサキ200p.jpg

 

ろくろを回し、形を作り、半日から1日乾燥したのち“カンナ”を使い削りの作業にはいります。一般的な乾燥より少し早めに削りの作業に入るため難易度は高くなります。
そこで考えたのがオリジナルのカンナです。一般的に売られているものもありますが、使いやすさ仕上がりの良さを追求するため、カンナを一つずつ自分の手で作り、微調整をしながら使っています。手作りの良さを最大限にのこせるのも特徴です。

焼き(焼成)のこだわり

【温度管理】


ガス窯焼成.jpgいったん窯の中に陶器が入りますと、そこは、人間ではどうしようもできない神様の領域に入ります。まったく同じ材料、同じ環境で焼いても、違ってくるのが、陶器の難しさでもあり、面白さです。窯の焼き方により色や風合いが大きく変わり、仕上がりが違ってきます。確かなものに近づけるため、窯の温度を研究し、より、調子のよい器を追求しております。

 

絵付けのこだわり−その2

【絵の具の調合】

 

絵の具調合試験.jpg

色一つとっても、数えきらないほど沢山の色があります。使いこなしが難しい和絵の具を使って、いかに自分の出したい色が出せるか、プロの腕が試されます。微妙な割合の調合を何度も試作して、始めて完成する色は、完全オリジナルの色です。
洋絵の具と違い、和絵の具は焼く事により、まったく別の色になるものがほとんどです。絵付けする時も、そういったリスクがある中で焼きあがったあとの色を想像しながら、絵を描きます。絵の具の調合を記したレシピは蔵珍窯の宝です。

絵付けのこだわり−その1

【絵ノ具の素材選び】


陶器に使う絵の具は、和絵の具と洋絵の具とがあります。主流として、使いこなしが簡単な洋絵の具を使う窯がほとんどです。透明感がなく味わいのない洋絵の具は、使うごとに深みを出すことはなく、さっぱりした色合いとなります。
当窯は、古くから日本にある、和絵の具を使用するのはもちろんのこと、絵の具の素材も厳選して使用することにより、より表現豊かな味わい深い色を楽しむことができます。
特に赤絵の具は、市場に出回っていない希少価値が高い弁柄を使用しております。

 

和絵の具.jpg左写真が和絵の具。

左のピンク色の絵ノ具は焼成後:黄色

右のうす紫色の絵ノ具は焼成後:緑色 になります。

焼く前と後で色が変わるのが和絵ノ具の最大の特徴です。焼く前に絵の調子が見た目でわからない難しさをやり抜くのがプロの職人技です。

 

 

つくりのこだわり−その3

【高台(糸じり)の作り方】

 

高台のこだわり.jpg   高台のケズリ.jpg


高台も器にとって重要なものです。持ちやすさと安定感に加え、見た目のバランスを大切に、低い高い、大きい小さいなど、それぞれの器の形にふさわしい、最良の高台をつくっています。

 

つくりのこだわり−その2

【口あたりのよい作りにすること】

 

蔵珍こだわり1@200pixel.jpg 蔵珍こだわり2@200pixel.jpg

 

ご飯茶碗や湯飲み、コーヒーカップなどの器に直接口をつけるものは、陶器の口当たりによって味が変わってくるものです。本当かな?と思われる方はぜひ試してください。口を当てた時に下唇がカーブにフィットするこれが、良さなのです。長く使うと、必ず違いが分かるこだわりポイントです。
工場などの大量生産ではできない繊細なつくりがここにはあります。

つくりのこだわり−その1

【程よい重さに作ること】

 

これは日本人における究極の感性であり、使い手を含め一番重要なポイントです。
おもすぎてもだめ、軽すぎてもだめ、ほどよいという微妙なラインがいい物づくりの第一歩であり、これを使った人にしか分からない陶器のよさです。
この、ほどよい重さをとても大切に一つ一つつくっています。

厚み計測器200p.jpg

 

 

 

 

 これは1/10ミリまで計測できる機械です。

 

原料のこだわり−赤絵ノ具

蔵珍窯は を大切に育てています。

原料となる紅柄を1000日という時をかけて絵の具に育てます。そして、器に華をそえた は、お客様の手により時を重ね、味わい深い色に育っていきます。

また、当窯で使用している原料の紅柄は、現在生産されていないため市場に出回っておりません。そのため大変に希少価値が高く、まぼろしの紅柄となっています。

 

時を重ね育てる赤.jpg

名前へのこだわり−蔵珍窯:名前の由来

なぜ蔵珍窯“ぞうほうがま”という名前なのですか?というご質問がよくあります。

 

読み方は?

ぞうちんがま?・くらちんかま?などといわれることがよくありますが、正式には“ぞうほうがま”と読みます。なぜ珍を“ちん”ではなく“ほう”と読むのか、これは“珍”の旧字が“珎”の字であったことに由来します。この珎という字は和同開珎“わどうかいほう”とあるように“ほう”とよむことがあるそうです。ですから現代ではなかなか読みにくいのですが、珍とういう字を“ほう”と読み、当窯の名称・蔵珍窯を“ぞうほうがま”と読むようにしております。

 

蔵珍の名前の由来は?

中国官窯の陶官を蔵珍といったそうです。
日本では安土桃山から江戸時代以降、今では有名な織部・志野・有田・清水焼・九谷焼・琳派など絢爛豪華な器が誕生しましたが、昔から大陸から渡ってくる陶磁器、特に中国の陶磁器を唐物と呼び珍重してきました。陶磁器にたずさわっている人のなかで中国・明時代の中国陶磁器にあこがれを感じる人も少なくありません。魯山人をはじめ多くの数奇者もその一人であったと思います。
その中国の古陶磁器に魅力を感じ、中国官窯の陶官の名称を当窯名前の由来のひとつとしております。

また、珍は、“めずらしい”と読むのと同時に“たから”と読むそうです。その読みからもあるように宝物のように貴重なもの・希少価値のあるもの、ということから、蔵に納められるくらい良い器(価値のあるもの)をつくっていきたい、そのような思いも重ねて、蔵珍窯(ぞうほうがま)という窯名にしております。